2022.02.18
「天下一」を目指して長年、日本のYouTube界で第一線を走り続けるHIKAKINさん。そんなHIKAKINさんの原動力は、幼い頃から親しんできたドラゴンボールです。
今なお、クリエイター活動の合間を縫ってドラゴンボールの映画やアニメを欠かさずチェック。SNSで作品への愛を発信し続けるHIKAKINさんに今回、ご自身とドラゴンボールのつながりをお伺いしました。
なぜドラゴンボールは言語の壁を超えて、世界中の人々に面白さが伝わるのか。ベジータの「人間臭い」魅力とは何か。
さまざまなトピックについて、作品の一ファンであり、動画クリエイターでもあるHIKAKINさんならではの視点で、縦横無尽に語っていただきました。
※取材は新型コロナウイルス感染症の予防対策を講じた上で2021年に実施しました
ーーまず、ドラゴンボールとの「出会い」について教えてください。幼い頃はどんな風に作品を楽しんでいましたか?
HIKAKIN:物心ついた頃には、兄貴とテレビで『ドラゴンボールGT』を見ていました。
あとは天下一武闘会をテーマにしたスーファミ(スーパーファミコン)のゲーム(編注:おそらく『ドラゴンボールZ 超武闘伝』)。やり込みましたね〜。オープニングで裏技に成功すると、アニメでおなじみの瞬間移動の効果音が聞けるんですよね。だから、裏技の種類を兄貴と一緒に全部覚えたなぁ。
ーーアニメやゲームから入ったわけですね。
HIKAKIN:そうですね。あと、家の近くの駄菓子屋で「シールをブチッて剥がすカード」も買ってましたよ。ベジータのキラキラのやつをぺりぺりってめくると、下にも違う絵柄が出てくる(2重構造になったものがある)みたいな……。
ーーまさにカードダス(編注:シールを剥がすタイプのトレーディングカード。ドラゴンボール版は1988年から発売)世代ど真ん中だったと。その他、どんなコンテンツに触れ合っていましたか?
HIKAKIN:いつだったか、家の近所の公民館か小さな映画館でジャネンバ編(『ドラゴンボールZ 復活のフュージョン!! 悟空とベジータ』)を見たのをすっごい覚えてます。あれが生まれて初めて見に行った映画かもしれない。子どもの頃は映画を見られる場所が少なかったんですよね。
ちなみに、ドラゴンボールのアニメや映画は最近のものも漏れなくウォッチしていて、以前は毎週日曜日の朝に『ドラゴンボール改』を見る、と決めていました。動画の編集で忙しい中でも、早起きして、その時間だけはしっかりテレビをつけて(笑)。
ーーそうやってドラゴンボールを愛し続けてきたHIKAKINさんから見て、ドラゴンボールの一番の魅力とは何だと思いますか?
HIKAKIN:「分かりやすさ」でしょうか。僕は伏線があちこちに張られていたり、いきなり過去の話に飛んだり、ストーリーの背景が難し過ぎたりする作品って、ついて行けなくなるタイプなんです。
その点、ドラゴンボールは「強いヤツと戦っていく」という前提を押さえるだけでいい。映画もアニメも「途中から意味分かんなかったんだけど……」みたいなのが一切ないし、むしろ途中の話を理解できていなくても楽しめちゃう(笑)。
たぶん鳥山先生は幅広い世代、国籍の方々に向けて、分かりやすさを相当意識されているんでしょうね。
ーー海外にも大勢のファンがいることを考えると、きっと言語を超えた楽しさがあるんでしょうね。
HIKAKIN:YouTubeで海外ファンの盛り上がりっぷりを見ると、ドラゴンボールは国や言語の壁を超える、すごいコンテンツだなって思います。
ーーみんな「ドラゴンボールは“分かりやすくて”好き」と思っているんだけど、そこは意外と言語化されないですよね。そういえば、HIKAKINさんの動画も分かりやすく、老若男女誰にでも伝わる面白さがあります。普段から「分かりやすさ」を意識して動画を作られているのでしょうか?
HIKAKIN:そうですね、「分かりやすくしよう」という意識は強く持っているほうだと思います。例えば、テロップは伝えるために存在しているから、そこでわざわざ難しい言葉を使わないとか。カッコつけて難しい言葉使っても、見ている人に伝わらないと自己満足になっちゃうなと。
ドラゴンボールも、難しい単語をあまり使っていなかったからこそ、子どもの頃の自分でも楽しめたんでしょうね。
ーーHIKAKINさんの動画とドラゴンボールの関わりについて、もう少しお伺いさせてください。HIKAKINさんは、動画で効果音や擬音を頻繁に使っていますね。ドラゴンボールアニメの効果音も特徴的で、記憶に残っているファンも多いと思うのですが、動画を作る上で影響を受けた部分はあるのでしょうか?
HIKAKIN:あったのかな……明言はできませんが、ドラゴンボールのアニメって確かに「すっげぇ気持ちいい音」を使っていますよね。瞬間移動の音はもちろん、かめはめ波をためて放つ音やパンチの音も、聞いていて気持ちいい。そもそも、超サイヤ人に変身するシーンの「シュイン シュイン」って効果音を考え出した人はヤバい(笑)。
ーー現実にかめはめ波を打てる人はいませんから、この世のどこにもない音をゼロから創ってるんですよね。
HIKAKIN:あとは戦闘シーンのフレームの速さ。自分で動画を細かく編集するようになってからは、つくづく良い意味で「変態だな」って感心してしまいます。
子どもの頃からそうしたシーンを浴びるように見ていたので、自然と(ドラゴンボール的な表現に)惹かれていったんでしょうね。
ーーここからは好きなシーンやキャラクターについてお伺いします。原作からアニメ、映画に至るまでさまざまなコンテンツに触れてこられたと思いますが、特に印象的なシーンはなんでしょう?
HIKAKIN:ファンの方には「そこ?」って言われちゃうかもしれないですけど……ダーブラが唾を掛けるシーンがなぜか脳裏に焼きついていますね。みんな隠れてるけど、実は(ダーブラに)気付かれてる、みたいな場面があって。「こえ~!」みたいな(笑)。
ダーブラはあの渋い顔と唾を掛けるという斬新な攻撃方法から好きになった敵キャラです。
ーー逆にメインキャラクターの中で好きなのは?
HIKAKIN:ずっと言い続けていますが、やっぱりベジータです。プライドが高いけど奥さん(ブルマ)を大事にする生真面目さとか、あとは魔人ブウを吹き飛ばした時みたいに自爆してでも敵を倒そうとするガッツとか、いつも悟空に先を行かれて勝てないところも含め、どこか人間臭い、あの性格が好きです。
ーーわりと渋い趣味ですね(笑)。
HIKAKIN:あの悟空に追いつけない感じが、ちょっとリアルっていうか。潜在的に悟空のほうが「(能力を)持っちゃってる」ように見える中でも、奮闘しているところが魅力ですね。
ーー確かに、ベジータは悟空よりも必死に抵抗したり、悔しがったり、人間味のあるシーンが目立ちますよね。
HIKAKIN:そうですね。強敵を前にして「俺の方が強い」と自信をのぞかせるんですが、ブロリーやフリーザの圧倒的な強さに怯えたり、そうすると相手に勝てると分かっていても悟空とフュージョンするのを嫌がったり。人間臭くて、実に良いですね(笑)。
ーーとはいえ、対する悟空も元々はベジータたちに「下級戦士の落ちこぼれ」と言われ、下積み(修業)シーンが多かったですよね。
HIKAKIN:実を言うと、僕は悟空に”下積み感”をあまり感じなくて(笑)。
ーーなぜでしょう?
HIKAKIN:悟空は戦うのが好きだからこそ、あまり苦労しているイメージがないんです。
それで言うと、僕もビートボックス(編注:口や鼻、のどなどの発声器官で楽器に似た音を奏でるテクニック)が好き過ぎて練習するのが全く辛くなかったな、と。楽しく練習する中でいつの間にか上達していたっていう経緯は、もしかしたらベジータではなく……。
ーー悟空っぽいですね(笑)。HIKAKINさんはベジータの生真面目さと、悟空の楽しんで努力できるところを併せ持っているのかもしれませんね。
HIKAKIN:じゃあ……ゴジータでいいですかね(笑)?
ーー以前、「ベジータの孤高なところが好き」といった趣旨のツイートをされていましたよね。好きなものを徹底的に突き詰めていく、1人でスキルを磨いていくという彼の性格は、ご自身に近いと思いますか?
HIKAKIN:そうですね、僕も特技では負けず嫌いなタイプです。
少し話はそれますが、そもそもドラゴンボールって、どちらかと言うと「本当に強い方が、最後に一対一の戦いで勝つ」みたいなシーンが多いと思うんです。もちろん、元気玉のように「大勢の力を合わせて勝つ」という要素はありつつも。
僕は小さい頃からチームワークや協調性を持って何かに取り組むことがあまり得意じゃないタイプでしたが、一人でのめり込んだもので結果を出すのは得意なほうでした。だから、ドラゴンボールの「最後は一人で勝つ」ところには共感できます。
ーー確かに、チームワークが苦手な子どもにとっては、ドラゴンボールが安心感を与えてくれている側面はあるのかもしれませんね。
HIKAKIN:どんな世界であれ、一人勝ったとしてもなかなか安心はできませんが。強い人は後から出てくるので……。
ーーYouTuberの世界も強力な後進がどんどん出てきますよね。
HIKAKIN:そうです。実は、はじめしゃちょーが出てきた時に「俺はベジータなんじゃないか」って思ったんです(笑)。
ーーと言いますと?
HIKAKIN:2016年くらいに、チャンネル登録者数を抜かれたんです(編注:この時点で、はじめしゃちょーさんはチャンネル登録者で日本一となった)。それこそ、ロケットみたいなすごい勢いで。
はじめしゃちょーに登録者数を追い越された日、Twitterで「がんばれはじめしゃちょー、おまえがナンバーワンだ!!」ってリプライを送りました(笑)。でも、はじめしゃちょーはあっけらかんとしていて、本当に悟空みたいな感じなんですよ。その時、「あ、俺ベジータだったんだ……もう勝てないかもな……」みたいに思って(笑)。
ーーやはり、HIKAKINさんの生き方は悟空というより、ベジータに重なりますね(笑)。
HIKAKIN:でも2021年に、ベジータがまた(チャンネル登録者数を)抜き返しましたね……。まぁ、また抜かれるのかもしれませんが。「また俺を超えていくのか!」みたいな(笑)。
ーー強いライバルがいるからこそ、お互いを高め合えるのかもしれませんね。
HIKAKIN:はじめしゃちょーがいたからここまで頑張れた、とも思います。ライバル視はしていますが、どちらかと言うと「戦友」なので。
ーーでは、今後も抜きつ抜かれつ……みたいな関係を?
HIKAKIN:そうですね。もし独走していたら、動画制作を続けるモチベーションが維持できていなかったかもしれません。「すごいな」「勝てないぞ」みたいな人がいるから、頑張れる。そこはドラゴンボールも僕の人生も同じですね。
HIKAKINさん:1989年生まれ新潟県出身。高校生の頃にYouTubeを始め、これまでに数々の海外アーティストともビートボックスや動画による共演を果たした。ビートボックス以外にも商品紹介や「HikakinTV」「HikakinGames」「HIKAKIN」「HikakinBlog」の4つのチャンネル運営など多彩にこなすマルチクリエイター。
「ドラゴンボールゲームスバトルアワー」2022年2月19~20日に開催!
詳細は公式サイトをチェックしてください
取材・文:多根清史
撮影:関口佳代
このサイトは機械翻訳を導入しています。わかりにくい表現があるかもしれませんが、ご了承ください。
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