2021.10.22
ドラゴンボールに欠かせないキャラクター、ブルマ。彼女はカプセルコーポレーションの創設者・ブリーフ博士の娘という「お嬢様」でありながら、数々のメカを発明する天才少女でもあります。そしてなにより、ドラゴンボールを探す旅へと悟空を連れ出した張本人で、いわば“初期メンバー”。
それなのになぜだろう、ブルマのファッションが「今はやりのやつですか?」と錯覚してしまうほどにスタイリッシュなのは……。
愛らしいコーデからメンズっぽい着こなしまでさまざま
愛らしいミニスカコーデ、ラフなシャツスタイル、大きめのブルゾンが目を引く着こなしなど、ブルマのコーディネートって、オリジナリティとほどよい抜け感が両立されていて、どれも「今っぽい」んですよ!
あ、申し遅れました私、ライターの日笠麗奈です。女性ファッション誌を中心に執筆活動を続けています。今回の企画を受けてドラゴンボールを読み返し、ブルマの魅力にハマったクチです。
今回はそんな筆者が、同じく女性誌で活躍するスタイリストさんと共に、ブルマファッションの魅力を考察。彼女のファッションが令和の世でもお洒落に見える秘密と老若男女を惹きつける理由を、勝手に深堀りしていきます。
さらに、考察しながら導き出した「ブルマファッション足らしめる要素」をもとに、読者の皆さんもマネしやすい「現代版ブルマコーデ」を作ってみました。特にブルマファッションに憧れるそこの貴女。ぜひ参考にしてみてください!
※取材は新型コロナウイルス感染症対策を講じた上で実施しました
ということで、今回お話を伺ったのは、人気スタイリストの船戸唯さん。まずは船戸さんとブルマファッションの魅力を探っていきます!
スタイリスト 船戸 唯さん
スタイリスト・福田麻琴氏に師事。独立後にLAへ留学。帰国後は「ar」「LEE」「mina」などの雑誌をはじめ広告、テレビなどで活躍中。シンプルでヘルシーなスタイリングが人気。また、プライベートでは漫画好きな一面も。
船戸さんには、前もって原作に登場するブルマのファッションをくまなくチェックしていただきました。スタイリストの目にブルマのファッションはどう映りましたか?
いやもう、めちゃくちゃお洒落ですよね!
ボーイッシュなアイテムを取り入れつつも、必ず「肌見せ」の要素や可愛らしいアイテムを加えてバランスを取っています。どのコーディネートもそうした“絶妙な隙(ギャップ)”がありますよね。
少年誌のキャラクターでここまで細かくディティールが作り込まれているってすごいことですよね。
あとは、ガーリーやクールといったオーソドックスなテイストでくくれないのも特徴かも。メンズライクなオーバーオールにリボンを合わせたコーディネートなど、「ミックススタイル」も多いですよね。
赤いリボンがトレードマーク
ブルマは初登場時が16歳で、原作の最終回では51歳(『DRAGON BALL大全集―鳥山明ワールド (7)』の年表より)。年齢を重ねる中で着こなしに変化が生まれているのも面白いなぁと思います。
年齢とともに変化していくブルマのファッション
あきらかに大人っぽくなっていますよね。代名詞だと思っていたリボンが、いつのまにかイヤリングやスカーフに……と、小物使いが変わったのが一番の変化かも。しかも使い方も絶妙。
これって現実の女の子に通じるところもありそうですよ。年齢を重ねるにつれて、300円のイヤリングがお高めのピアスに変わったっていう子、多いと思いますね。
確かに、小物が変化していくのは「めちゃくちゃリアル」ですね。鳥山先生、そこまで考えていたのかな……だとしたらすご過ぎる! ということは、ブルマのパーソナリティもファッションから読み取れるのでは?
あくまでファッションから受ける印象ですが、ジャンルにとらわれずに自分らしいファッションを楽しんでいて、自己プロデュース力が高いというイメージです。
なんとなく、今同世代に人気の女の子っぽいんですよね。TikTokでフォロワーが何万人もいるインフルエンサーのような。
なるほど! だから今彼女を見ても共感できたり、可愛いと感じたりする部分が多いのかもしれないですね。
今のファッションって、昔ほど絶対的なトレンドがなくなってきているんです。ひと昔前までは、はやっているブランドやスタイルがあったら「そのブランドの服やスタイルに合わないから痩せる!」という感じだった。服に自分を合わせにいくイメージですね。
でも今の子たちは、それぞれが自分の好きなアイテムを選んで、ブルマのように自由に、自分に似合うスタイルでお洒落を楽しんでいます。
自分らしさや多様性を大切にする令和のファッション、その走りがブルマ……なのかも!?
みんな気付いていないけど、実は起源はブルマ説、あるかもですね(笑)。
ブルマが、個性的で自分らしい着こなしを楽しんでいることは分かりました。では、そんな“ブルマらしさ”の軸となる要素って何なんでしょう……?
肌見せは「ヘルシーさ」がポイント
大きく分けて3つの軸があると思います。まずは「ほどよい肌見せ」。オーバーオールだけを着てデコルテや腕を見せていたり、ショートパンツからしっかり足を出していたりします。
ただ、ここにサンダルじゃなくブーツを合わせることでクールでかっこいい印象がプラスされるので、決していやらしくはならない。ヘルシーな肌見せが上手なんですよ、ブルマって。
似合ってるからオッケーでしょ! というカラッとした着こなしに、“ブルマらしさ”を感じますね。同性からも嫌われなさそうなほどよい色気、すごく今っぽいですよね。
メンズアイテムも自分らしく着こなす
そして「メンズアイテム」も重要! コーディネートのどこかにメンズアイテムが入っているのもブルマっぽいと思います。彼氏の借りちゃいました、的な。
一方で、愛らしさや色気も上手に演出しているんです。ビックシルエットのパーカーにはミニスカート、大きめのジャケットにはデコルテが見えるようなトップスを合わせるなど。ギャップを演出する着こなしセンスが素晴らしいですね。
……ってことは原作の前半に登場するこのパーカーやジャケット、もしかするとヤムチャの私物を借りていたのかも?(笑)。確かに、自分から冒険に出るくらいの女の子だし、ちょっとやんちゃめなファッションがすごく似合う。メンズアイテムを一点組み込むことで、ブルマの愛らしいキャラクターがより際立っている気がします。
アイテムの組み合わせでメリハリを演出
最後は「メリハリ」。ベルトや紐でウエストを締めて、身体のラインを出すスタイルが多いですね。サイジングのバランスがうまいので、全身のシルエットをキレイに見せられています。
私が注目したのはこのスポーツミックススタイル(画像左)。タイトなTシャツで上半身をピタッと見せながら、ゆるっとしたパンツでラフさを出しています。このバランスの取れたコーディネートはファッション上級者テク。
スタイル抜群なブルマだからこそ、とも言えますが、体もマインドも含めた自分の「長所」を把握し、“長所見せ”を狙ってスタイリングしているんだろうなと想像できますね。
確かに! ブルマ自身のマインドや自信が、ファッションにも表れていそう。
そうそう、でも嫌味はなくてむしろ可愛い♡ ということで、ブルマのファッションは、「ほどよい肌見せ」「メンズアイテム」「メリハリ」という3つの軸が掛け合わさってできていそうです。
ブルマファッションの「3つの軸」を抽出できたところで、実際にその3つの軸を応用したコーデを3つ、船戸さんに考えていただきました!
コーデを着用してくれたのは人気モデルの木野山ゆうちゃん。思わず真似したくなるほど可愛い、令和版のブルマファッションをご覧あれ!
ジャンプスーツ:Bershka(ベルシュカ)/ バッグ:スタイリスト私物 / ブーツ:ZARA(ザラ)
ジャンプスーツは、インナーを着ずにいさぎよく一枚で! 色っぽくなり過ぎない「ほどよい肌見せ」はブルマファッションを語る上で欠かせません。
作中のブルマはバイカーということもあり、足元によくワークブーツを合わせていますが、これをキレイめなショートブーツにチェンジすることで一気に現代っぽくタウンユースな雰囲気に。
ドラゴンボールもぴったり入る(?)ミニバッグに、今どき女子は携帯とリップを入れて♡
まず、スタイルアップ(スタイルを良く見せる)効果がすごい。それに、肌見せもしているのに、キマり過ぎていなくてバランスが絶妙。ジャンプスーツが薄色のデニム素材っていうのもヘルシーな雰囲気で可愛い!
ほどよいけど大胆! そんな肌見せ具合がまさにブルマ。ジャンプスーツをインナーなしで着るのは少し勇気がいるかもしれないけど、着こなしのテイストや小物使いが全体的にカジュアルなので、いやらしさはなく“ほどよい”仕上がりに。足元はワークブーツだと上級者過ぎ、スニーカーでは逆に子どもっぽくなり過ぎるので、適度な抜け感を出すにはショートブーツがベスト!
MA-1:SLY(スライ)/ キャミソール:CANAL JEAN(キャナルジーン) / ショートパンツ:H&M(エイチアンドエム)
スニーカー:CONVERSE(コンバース)/ 靴下:ノーブランド
ブルマファッション2つ目の軸、「メンズアイテム」を取り入れたスタイル。オーバーサイズのMA-1に、同じ色味のショートパンツを合わせてセットアップ風の着こなしに。
作中でも靴下を効果的に使っているブルマに倣って、足元は鮮やかな色合いのスニーカー×靴下で遊び心をプラス。ブルマのおてんばな性格が垣間見えるよう。
初期ブルマのトレードマークとも言える、大きなリボンが印象的な三つ編みポニーテールが、コーデともばっちりマッチ!
男の子っぽいMA-1と、派手な足元のバランスがめちゃくちゃ好き! 普段からメンズライクな服を着ることが多いので、個人的にこのスタイリングが一番好みでした♡
メンズアイテムを自分らしく着こなしちゃうのが、ブルマらしさ。ショートパンツもピタッとセクシーなシルエットのものではなく、ラフな雰囲気で大きめサイズのものをこだわって選びました。足元はブーツを合わせてしまうとミリタリー感が出過ぎるので、スニーカーを合わせて今っぽい抜け感を。
ニット:ZARA(ザラ) / ニットパンツ:H&M(エイチアンドエム)
靴:ZARA(ザラ) / 靴下:ノーブランド
ブルマのように自分の長所を生かして「メリハリ」を意識したスタイルです。ざっくりとしたニットトップスに、タイトなショートパンツを合わせた“ゆるピタ”シルエットがポイント。
それぞれのアイテムがシンプルな分、真っ赤なリボンとシューズの差し色が存在感を発揮。
甘くなり過ぎないよう足元の靴下でボーイッシュな雰囲気をプラス。
もともと“素敵な恋人が欲しい”という願いを叶えるためにドラゴンボールを集めていたブルマが、もしも現代を生きていたら、こんな“長所見せ”のファッションを楽しんでいたかも!?
シルエットやひとつひとつのアイテムがとっても今っぽくて、私服でもチャレンジしてみたいなって思いました。ブルマファッション、はやりそう!!
自分の体型や好きなパーツを理解しているからこそできる、メリハリを効かせたゆるピタコーデ。トレンドアイテムであるニットパンツを、レトロな柄・色使いでまとめ、“お洒落だけど親近感ある女の子”=ブルマをイメージしました!
ちなみに、ブルマって小物にとてもこだわりを感じるので、アクセサリーも既製品を買わない気がするんです。なので今回使用したリボンはすべて、アクセサリーショップではなく手芸屋さんで調達しました!
今回ご紹介した3つのコーデは、言われなければお手本がブルマだなんて気がつかないくらい、どれも今っぽくて可愛く、お洒落ですよね!
令和の世でも通用するブルマファッション、そしてそんなファッションを次々と生み出した鳥山先生のすごさを、改めて思い知らされました。鳥山先生、預言者なのかな?
こうなるとブルマだけでなく、あのキャラクターも、このキャラクターも、気になってくる! すでに何度も作品を楽しんでいる人は、キャラクターのファッションに注目して読み返すと、新たな発見があるかもしれませんよ。
著者:日笠麗奈
12歳からモデルとして活動し、2015年よりフリーランスに転身。現在はライターとして「ar」「ニコ☆プチ」などのファッション誌をはじめ、多数の媒体で執筆中。モデルの経歴を活かした取材撮影なども行い、書いて、撮って、撮られる“なんでも屋”として幅広く活躍している。
Twitter:https://twitter.com/reina_hikasa
Instagram:https://www.instagram.com/reina_hikasa/
モデル:木野山ゆう
女優としてキャリアをスタート。舞台や映画に出演した後、モデルの分野にも活動範囲を広げ、現在はCMやMVを始め、アパレルのLOOK等幅広く活躍している。その中で、優里「ドライフラワー」のMVに出演し、話題に。その名を更に広めることになった。特技はスポーツ全般で、トレーナーの資格も所持しているのでスポーツブランドの広告にも多数出演している。
Instagram:https://www.instagram.com/kinoyama_yuu/
撮影:曽我美芽
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