2026.07.24

キャラクターの魅力や世界観を表現した無可動フィギュアシリーズ「フィギュアーツZERO」から、新ブランド「STARTune」が登場しました!
本シリーズのこだわりである造形・彩色・世界観表現のクオリティを保ちながら、コレクションの始まりとなるシーンをコレクションしやすい価格設定で展開することを目指したブランドです。
「ドラゴンボール」の第1弾となる「Figuarts ZERO [STARTune]孫悟空-決戦場への到着-」が予約受付中!!
その原型製作を担当したのは、数々の「ドラゴンボール」フィギュアを手掛けてきた最高峰のチームです!!

本当に「フィギュアーツZERO」のクオリティは維持されているのか?
フィギュアの彩色サンプルをじっくり見ながら、原型師チームの方にお話を伺ってみました!!
ベテランの技が光るジオラマ台座の製作秘話や、造形の注目ポイントなどをご紹介していきます!!

原型師:中澤博之(STUDIO-蓮)
「ドラゴンボール」フィギュアの原型製作において、20年以上のキャリアを有す大ベテラン。数年前より、製作手法を手作業(手原型)からデジタル(CG原型)へ移行して製作の幅を広げている。

クリエイティブディレクター:渡辺雄介(株式会社WATANABOX)
関係各社や原型師との間に入り、納期やクオリティ面をサポートする「クリエイティブディレクター」。サポートのみならず、自身も原型師として活躍。本作では弟子と共に彩色も担当。
原型師:加藤蓮(STUDIO-蓮)
中澤さんが所属する「STUDIO-蓮」の代表。同社には複数のメンバーが所属し、分業で作業にあたる。本作においてはCG原型のデータ調整や細かい部分の製作、出力などを担当。

近年の「フィギュアーツZERO」シリーズも同チームによって手掛けられました。
また、可動フィギュア「S.H.Figuarts」シリーズで好評を博したアイテムも、無可動原型の製作を担当されています!

加藤さんは本作において重要な役割を担う原型師ですが、本インタビュー当日のご都合が合わず。後日お伺いしたコメントを掲載していきます!

――「STARTune」の原型製作依頼を受けた際は、「BANDAI SPIRITS」さんからどのような説明があったのでしょうか?
渡辺:まず、僕が窓口として企画担当の方とお話しました。これまでプレミアムバンダイなどで販売されてきた高価格帯のジオラマ付きスタチューを、もう少し手に取りやすい10,000円以下の価格帯で提供できる新シリーズを立ち上げたい……というような説明をいただきました。コストの意識はもちろん軸においていましたが、原型師チームとしてはコストに囚われすぎず「より良くしよう」という方向で製作しています。
――依頼を引き受けてからCG原型完成までの流れを教えてください。
渡辺:まず、「BANDAI SPIRITS」さんからフィギュアの完成イメージのラフ画を頂きました。それを参考に企画担当の方が求めるものをヒアリングして、話がまとまってから、中澤さんと加藤さんと僕とで具体的にどんなものにしていくかを話し合いました。
中澤:そこで話した内容を元に私がCG原型を造りました。まず悟空に取り掛かってからジオラマを造って、バランスやコストを考えてバランスを調整します。
【加藤さんのコメント】
――加藤さんが担当された作業について、中澤さんからデータを受け取ってから何をされるのか簡単に教えてください。
加藤:まずこちらで荒データを製作しまして、そのデータを中澤さんに渡して仕上げてもらうという流れになります。監修を通った後のパーツ分割やプリント、プリント品の仕上げもこちらの担当です。数人で作業しているので、自分はその人たちの采配を担当しています。
――ラフ画に対して、原型師チームからのアイデアを追加した部分はありますか?
渡辺:実は、ラフ画の時点では台座の奥にある船内の壁が無かったんですが、相談するうちに盛り上がって色々と付け加えちゃいました。(笑)
中澤:「物足りない」って言いながら追加していったよね。操縦席も、最初は造るつもりなかったのに。(笑)

ジオラマ台座の奥には操縦席が!
渡辺:あの時にアレコレと盛り上がった結果、良い物に仕上がりましたよね。もちろん、先にお話した通りコストを度外視する訳にはいかないので、企画担当の方とも相談しながら進めましたが。
中澤:デジタルだとオミット(省略・縮小)もしやすいしね。以前やっていたような手作業では、一度削った要素を再び追加するのは大変すぎてやろうと思えませんでしたが……。今回は宇宙船の壁を一旦卵状にぐるっと造ってみてから、いい塩梅になるまでカットしたり追加したりしながら検討することができました。カットしたデータを残せて微調整も自由自在にできるのは、「デジタルならではの良さだな」と今回改めて実感しました。

「卵状」の輪郭をキープしつつ一部をカットした
背面の壁と宇宙船入口。
――ジオラマ台座は限られたサイズの中で広い奥行きを感じますが、遠近感の付け方には特別な技法があるのでしょうか。
中澤:感覚で引いた床のタイルの線をパースグリッド(背景のサイズ感を狂わせないための補助線)の代わりにして、操縦席や壁はそれに合わせる形で歪ませました。きっちりとしたパースを引くと、硬い印象になってつまらなくなるんですよ。人の目の構造的に、歪みが入っている方がなんとなくしっくりくるんです。多分、鳥山明先生も基本的にはパース定規を使わずにマンガを描かれていたかと思うので、原作を忠実に再現するという意味でも、感覚を大事にして製作しています。
【加藤さんのコメント】
――ジオラマ台座で製作されたパーツ(重力発生装置とお伺いしました)と、最初に3Dの出力を見たときの感想を教えてください。
加藤:少し大きいなと思いました。(笑) データ状態で見た時とプリント時の印象の違いがあったりしますが、今回はそんなに差が無いなとも思いました。

――次は悟空についてお伺いします。造形の際に気を使った点を教えてください。
中澤:一生懸命造った記憶があるのは髪の毛の特徴的に突き出た1番大きい房の部分です。クチバシのように被さる形を意識しました。スタンダードな悟空と毛束の向きが逆なこともあるので気を遣いましたね。

大きい毛束が向かって左に向いている場面が多いが、
今回の悟空は逆側に向いている。
中澤:あとは、とにかく参考となる場面を忠実に再現するように造りました。ただ、まるっきり元の画の通りに造ると立体では破綻してしまうところもあるので、一旦忠実に仕上げた後で、ちまちま調整していくみたいな感じですね。
渡辺:それでいうと、監修で道着の背中のマークを正円にするようにという指示が入ったときは抵抗しました。(笑) 原作では確かに正円にも見えるんです。でも、手描きの歪みもありますし、隆起して背筋で少し布が伸びている解釈をした立体に合わせるなら楕円になるはずですし、原型師側としての見解を説明して折り合いのつくバランスに調整しましたね。

背中の「悟」のマーク
――ジオラマ台座付きと単体のフィギュアで、製作の違いがあれば教えてください。
渡辺:今回のように、遠近感を出すために台座を湾曲させることが多いので、台座とキャラクターの接地面の調整には気を配ります。当たり前のように感じますが、キャラクターの足が浮いている商品も少なくはない印象ですね。
中澤:湾曲に合わせるので悟空単体で見るとまっすぐ立っていないんですが、それを違和感なく見える様に調整し収めます。まあ、そんなに一生懸命は調整してないですけど。(笑) 比較的スムーズに直感で自然な形に持っていけているかなという感じです。

きっちりと地面に接地されている悟空の足。
【加藤さんのコメント】
――中澤さんへ、悟空の肩や腰の調整を依頼されたとお伺いしましたが、「原作再現」「データの整合性」「全体を見てのバランス」など、加藤さんが確認時に注視している点を教えてください。
加藤:遠近感があるビネットなのでパースを付けつつ、立体にした時に違和感を出さないように、原作のイラストとのイメージが崩れないように、イラストでは見えていない部分も整合性が取れているか、などに気を付けています。
――最後に、本作へ興味を持っているファンの皆さまへメッセージをお願いします。
渡辺:この価格で、彩色にもこだわり台座にグラデーションも入ってるのはなかなか凄いことだと思います。「フィギュアーツZERO」シリーズが好きな方にも、満足感のある仕上がりになってるんじゃないかと思います。
中澤:従来よりも価格を抑えたブランドということですが、原型師(職人)の立場として「我々の作業は販売価格が高くても安くても、良いものを作り上げる。」これは変わりません。だから「みんな一生懸命お金を貯めて買ってよ!」とは思っています。(笑) でも、大勢の方に手にとって頂ける機会が増えるのは喜ばしいことですね。お手元に届いたら、是非台座を楽しんでいただきたいです。
【加藤さんのコメント】
――ファンの皆さまへメッセージをお願いします。
加藤:キャラクターだけでなくベースも細部まで作り込んでいるので手に入れた方はじっくり細部まで見て頂きたいです。
中澤さんの気持ち良いパースモデルビネットを堪能して頂ければと思います。

これまで数々の作品を生み出してきた職人達による、ハイクオリティを維持しつつコレクションの始まりとして仕上げられた「Figuarts ZERO [STARTune]孫悟空-決戦場への到着-」!
詳細や予約については、「TAMASHII NATIONS」公式サイトを要チェック!!
https://tamashiiweb.com/item/15909/
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