2021.08.06
8月5日(木)に日本国内のゲームセンターに登場したばかりのフィギュア新シリーズ「超ゼンカイソリッド」。その担当原型師である中澤博之さんにシリーズへの意気込みや、Vol.1超サイヤ人孫悟空のこだわりなどを聞いてきたぞ!
「超ゼンカイソリッド」は、日本国内のゲームセンターで展開されるアミューズメント用景品のフィギュアだ。好評だった「孫悟空FES!!」に続く孫悟空にクローズアップしたシリーズで、ドンと存在感のあるビッグサイズが特徴。「みんなが知っている孫悟空のイメージ」を、令和となった今の最新造型技術でより細かく、よりカッコよく形作っている!
原型師歴20年以上の大ベテランで、ドラゴンボールでも「ドラゴンボールZ 超造集」や「造形天下一武道会」など数々のフィギュアを手がけてきた。「孫悟空FES!!」に続き、今回「超ゼンカイソリッド」のシリーズ原型を担当する。
中澤さんが手掛けた「孫悟空FES!!」
2021年4月に登場した第13弾
──「超ゼンカイソリッド」シリーズはどういった心境で手がけてらっしゃいますか?
ベースとして知名度のあるイラスト、ポーズがあるので「そのイメージ通りに作ってやろう」という意気込みが普段よりは強く出ています。ベースとなるのが鳥山明先生のイラストであれば、描かれている線はその通りに再現しているつもりです。鳥山先生の描く孫悟空はボリューム感があるので、骨太なガッシリとした感じに作っています。孫悟空のフィギュアがたくさん出る中で、いろんなプロポーションがあることに意味があると思っています。商品的にも、サイズが大きいのに細身だと華奢に見えてしまうので、ボリュームのあるほうが喜ばれるのではないかと思っています。
ドラゴンボール大全集6巻表紙
──今回の「Vol.1超サイヤ人孫悟空」を制作する上でのこだわりや、意識したポイントはどこでしょうか。
最初に「こうしよう」と決めたのは、原作の絵の通りの顔つきに作ることです。今回は鳥山先生のイラストがイメージベースなので、ちょっと上下に幅のある目つきになっています。顔つきがアニメの劇中からは結構離れた感じにはなるのですが、東映アニメーションさんの監修でも意図を汲んでくださいましてOKが出ました。スタンダードな顔つきのフィギュアがたくさん出ている中で、こういう顔つきも面白いよというアプローチはありますね。
過去に、鳥山先生の描かれた絵の顔つきを元に作ったフィギュアに対して、「超サイヤ人はこういう顔じゃない」というコメントをもらったことがありました。自分としてはカッコいいと思っているのですが、多分アニメなどでは見ることがない目つきだったので「違う」と感じたのではないでしょうか。ですから、最近は作り始める前に「今回はみんなが知っている顔で作る」「その絵の通りに作る」と分けて決めています。
服の皺も、ベースイメージのイラストに描かれている線を可能な限り再現しました。イメージイラストで描かれているシャープな線を、造型として表現したら面白いのではないかなど、特徴的な部分を拾うようにしています。イラストは写実的な表現ではないので、勢いで引いた線もあると思うんです。造型師としては「この皺はどう考えてみても、こういう風にはならないな」と感じる皺もありますが、いざ形にしてみると、結構面白いものが出来上がるんです。元のイメージは太ももの辺りが少ない皺で構成されていたので、密度が低いと思わせない、でも皺が増えたとも感じさせない、上手い塩梅を見て線を若干足しました。
膝周りの独特な皺も、リアルではこのような形にはならないと思うのですが、だからこそ面白いと思います。リアル寄りに作るのが今のフィギュアの主流だと思いますが、原作に寄せて作るのも面白いと。「変だな?」と思う人もいるかもしれませんが、ベースにしたイメージにたどり着けば納得してもらえると思いますね。
例えば、鳥山先生はキャラクターの手のひらに、「W」みたいな形の、カクッとした線を描きこまれるんですよ。自分はそれが好きで、上手く造型できたときは面白い感じにできたな、と思います。漫画やジャパニメーションといった「日本の絵」の表現が世界で評価されているのは、写実的ではないけれど、説得力が面白い部分です。浮世絵も該当しますね。写実的ではないけれど、面白いと評価されている。自分としては、なるべくリアルにならないように気を使いながら作っています。
──これまで多くの『ドラゴンボール』作品や孫悟空の原型を手がけていらっしゃいますが、大変なことや楽しいことはどういったところですか?
ありがたいことに悟空を制作することが多いので、どうしても同じ衣装ばかり作ることになるのは大変ですね(笑)。年に6体くらい作ると、「今回はどうしよう?」と悩むときがあり、乗り切るのが大変なときはあります。同じキャラクターやイメージを元にしていても、楽をするために過去のものを流用することはほぼありませんし、新しく作った方が早いんです。例えば、手首などでも0.5mm幅が違うだけで雰囲気が変わってしまう。ですから、同じ衣装やポーズであってもバランスやプロポーションを見ながら「前回はこうやったから今回はこうやってみよう」など、少しずつやりかたを変えて、造型を進化させているつもりです。一方で、クライアントさんが気を利かせて悟空以外の発注もしてくれるので、上手い具合にやりくりできていますね。
楽しいことについては、鳥山先生ファンとして先生の絵がモチーフになるとテンションが上がりますね。あとは、商品が登場して、完成品が見られたときかな?
──個人的に立体化したいと思う、原作内の好きなコマやお気に入りのシーンはありますか?
ひとつに絞るのは難しいですね。1人ではなく2人以上で絡んでいるような、単品よりジオラマで作るようなシーンが好きなんです。基本的には情景を作るのが好きなので、悟空が悟飯をだっこして亀仙人のところへ挨拶へ行くシーンも以前作りました。あとは、劇中よりも、メカや恐竜に乗っているもののような、一品物のイラストが好きです。「造型天下一武道会」はそうした方向で作っていたのですが、今はそういうのはコスト面で商品化が難しいのが残念ですね。あとは、私服が好きですね。これは単純に、これまでに道着ばかり作っているからという理由ではあるんですけど(笑)。
キャラクターでは、超サイヤ人よりも黒髪状態の悟空のほうが好きです。さらに言うと、サブキャラのほうが好きです。鳥山先生が描くキャラクターでは、則巻アラレや少年悟空のように、一見強そうではないキャラクターが強い、というのが面白いと思うんです。超サイヤ人はカッコよくて強いので、最初はピンと来てなかったんです。髪の毛の密度や「ザ・少年漫画」みたいな目つきが面白いと思うようになったのは、仕事をするようになってからですね。
──最後に「超ゼンカイソリッド」シリーズを楽しみにしているファンの方にメッセージをお願いします
シリーズはまだまだ新作が登場するようですので、気を抜かないようにこれからもさらに頑張ります。皆さんよろしくお願いいたします!
──ありがとうございました!
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