2025.01.30
昨年話題となったNetflixドラマ『地面師たち』や、人気コミックスを実写映画化した『はたらく細胞』などに出演し、幅広い役柄を魅力的に演じる山本耕史さん。
「ドラゴンボールはぼくのバイブル」「芝居で迷ったときにポーズや表現の参考にする」など、筋金入りのドラゴンボールファンとしても知られています。
オフィシャルYouTubeチャンネルでは、サイヤ人のコスチュームを身につけて 「ベジータを25画で描く方法」を発信するなど、深いドラゴンボール愛にあふれる山本耕史さんに、作品への思い入れや好きなキャラクター、シーンについて伺いました。
−−山本さんとドラゴンボールの出会いを教えてください。
山本:ぼくね、『Dr.スランプ』が好きだったんですよ。鳥山先生の絵が好きでね。だから「新しい鳥山先生の作品が始まったんだ!」って、当然のように『ドラゴンボール』を読み始めたんです。当時、ぼく8歳ですね。
−−周りの同級生の間でも人気だったのでしょうか?
山本:みんな読んでいたはずですよ。ただドラゴンボールが一番盛り上がっていたのは、やっぱり中学とか高校くらいかな。(週刊少年)ジャンプを早売りで土曜日に売っているお店がたまにあって、並んで買いに行っていましたから。気づいたときには、どっぷりドラゴンボールにハマっていましたね。青春がドラゴンボールだったな。
−−本当にリアルタイムで連載を追いかけていたんですね。
山本:そうですね。わりとぼく、最初のほうのドラゴンボールが好きでね。ナメック星編までの記憶が鮮明だなあ。
もちろんセル編も魔人ブウ編も読んでいるし、好きなんだけどね。
鳥山先生の絵が変わっていくところもすごく印象的だし。昔の悟空のタッチがちょっとずつ変わっていくんだよね。
−−山本さんの成長とともに常にドラゴンボールの連載があったわけですね。
山本:やっぱり衝撃だったのは、3回目の天下一武道会で、悟空がでかくなって現れるところ。
主人公が大きくなって、よくこの人気を保ち続けたなというか。主役って、ふつうは姿形が変わらないじゃないですか。
あれは未だかつてない衝撃を受けましたね。あの小さな悟空が好きだったのに、でっかくなって出てくるなんて。
−−言われてみれば、同世代でやっていた連載物でこんなに大きく成長する主人公はあまり思い当たりませんね。
山本:あれはちょっと「発明」だったんじゃないですか!? 他にもあったのかもしれないけど、『こち亀(こちら葛飾区亀有公園前派出所)』の両さんはずっと一緒だし。その後、悟飯が出てきて、さらに悟空の見た目まんまの悟天も出てきましたけどね(笑)。
主人公の成長過程を読者と一緒に育てていくっていうのは、度肝を抜かれましたよね。
−−主人公が結婚して子どもが生まれるのも衝撃でした。
山本:うんうん。「じゃ、ケッコンすっか!」ってしましたもんね(笑)。
いろんな伏線を張っていたというより、いろんな「点」をつなげていく感じ。一緒に新しく作っていっている感じがありましたね。
「ああ、あそこでチチが『嫁にもらいにきでくれな』って言ってるじゃん」みたいな。鳥山先生、こんな感じだったのかな?
って想像させてくれる。
山本:今回、何が好きなのかって改めて考えてみたんですが、やっぱり絵が好きなんですよ、本当に。Dr.スランプで好きになって、(鳥山先生がキャラデザをした)ドラゴンクエストもやったし、鳥山先生のタッチのキャラに異常な魅力を感じてますね。
「丸み」と「角張り」の両方があって……。あとはアングル! アングルは本当にぼくドラマとかで、かなり意識しています。
−−ポーズを参考にされていると過去におっしゃっていましたね。
山本:斜め45度のこういう視点がすごいドラゴンボールって印象的なんです。あとやっぱ顎を引いた正面のポーズもいいですね。
自分も真似して絵を描いていました。
−−YouTubeチャンネルでも、ベジータの絵をあげていらっしゃいました。
山本:ベジータがいちばん早く描けるけど、基本ほぼ全員描けます。ただ好きでひたすら描いてたんですよね。ドラゴンボールっていうのは、ある種の定義があるんですよ。描いていくとわかるんだけど。
−−絵のパターンというと?
山本:まず、目は、AパターンBパターンCパターンみたいにあって。ピッコロタイプの目は、セルもそうだしフリーザもそうだし、魔人ブウもそうだったかな? 魔人ブウはいくつか形態がありましたね。あとは、ベジータの目タイプと、天津飯のタイプと……。
悟空は通常のときの目のタイプがちがうんですよね。目がどこまでつながってるかとか。
−−目尻までつながっているか、とかですね。
山本:そう、スーパーサイヤ人になると描かないといけないんだけど。
紙あります?(絵を描き始める山本さん)
これ、ここから眉がくるじゃないですか。こうなって、こうなりますよね。で、ここまでだとベジータっぽいじゃないですか。でもここですごいのは、ここの真ん中に目を入れて、髪をこうすると、トランクスになるんですよ。
だから顔が実は一緒なんですよね。このなんか、すごさ。この角度ね!(完成)
トランクスを描く山本さん
山本:この角度が好きなんですよ、ぼく。ギニュー特戦隊のリクームを、悟空が一撃で倒すシーンね。そのときの悟空が登場するときの角度がすごい好き。シューって出てきて、スパッと止まるんです。
それでベジータが、「あいつ伝説のスーパーサイヤ人になったのか」と思って、それで悟空がニヤッと笑うところ。ここです!やっぱりナメック星編好き(笑)。
−−やっぱり悟空がいちばんお好きなんですか?
山本:原点は悟空ですね。主人公って、どこか完璧じゃないというか。ちょっとおとぼけな悟空だけど、強くて頼りがいのあるところが好きですね。あと、ピンチなときほど、自分でもわかんないけど楽しくなるところ。怖い強敵がいるときほど、立ち向かう男の子の武者震いする感じ。悟空ってたぶん、おびえたことないんじゃないですか?
−−たしかに、ピンチにはなってもおびえたりはしませんね。
山本:悟空が怖くて逃げ出すみたいな描写って見たことないかも。「ちくしょう」って悔しがったり、クリリンが死んで悲しんだりとかはあるけど。悟空は、勇気を与えてくれますよね。「強い男たるは」というのを、本当に象徴している。心の強さもね。
−−本当の意味での「強さ」。
山本:人へのアプローチですよね。ベジータが行こうとしたときに、クリリンに「たのむ」「殺すな」って。「もったいねえ」みたいな。なんか、どこまでいっても懐が大きいっていうか。逆を返すとわがままなんだけど、生きていく中で必要なスリルを悟空はもっているというかね。
−−敵でも簡単に命を奪おうとはしないですしね。
山本:だからフリーザに最後のとどめを刺そうとするときは、悲しそうなのが印象的ですよね。「ばかやろー」ってね。あれほどの悪玉の根源にとどめを刺そうとして、あんな悲しそうになるなんてね。やっぱり描き方がすごいです。
−−結果的に敵もみんな味方になっていきます。
山本:そうそう。だから映画だとフリーザとも仲良くなったりするんですよね(笑)。
もちろん映画も観ているんですが、ぼくはこの(原作の)ドラゴンボールの(悟空とフリーザの)感じがやっぱり好きなんですよね。
−−悟空以外にお気に入りのキャラクターはいますか?
山本:いっぱいいますよ! ぼくね、栽培マンが好きなんですよ。ゲームの「ドラゴンボール レジェンズ」をやってまして、みんなベジットだのなんだのって強いキャラを使うんだけど、ぼく栽培マンで組んでて。
−−失礼ですけど栽培マンって強いんですか?
山本:もちろんキャラのアビリティは全然弱いんだけど。実力で、勝つんですよ。相手は何回も生き返ったり、こっちの動きを止めたりするアビリティをいっぱいもってるんだけど、栽培マンは何もない。それで勝つのが、すっごいたまらないです(笑)。強いキャラで強いキャラを倒してもなんかあんまり面白くない。負けたとしても、「こんな栽培マン相手にその技使ってくるの?」みたいな(笑)。
−−まず栽培マンが出てきて意外でした(笑)。
山本:あとは本当にいっぱい好きなキャラいるけど……。大きいほうのトランクスも好きだし。登場したときのだれ?! みたいな。絶対に悪いやつじゃないし、絶対に強いのわかるし、なんなんだろう!? っていう、すごいですよね、あの巻き込み方は。
あとネイル、すっごい好き。なんかただものではない感がね。もちろんフリーザにはまったく歯が立たないんだけど、そのあとピッコロと融合して。ドラゴンボールって、強くなっていく過程がいろいろあって、修行して強くなっていくのと、イレギュラーな強くなり方があるじゃないですか。融合、超神水とかね。
−−長老様に潜在能力を引き出してもらったりとか。
山本:そう、何回までっていう限界はあるけど(笑)。でもなんか、あのどんどん強くなってく感じが嫌じゃないんですよね。いろんな人が超えていくじゃないですか。ここでもうダメだと思ったフリーザ第二形態を、ネイルと融合したピッコロが超えてくるじゃないですか。そしたらすぐに、フリーザが第三形態になって超えてきちゃって。なんなら最終形態をもう見せましょう、と。そこに悟空が出てきて、みたいなね。やっぱり被せ方がすごいよねえ。
あと、敵で好きなのは、ザーボンね。ドドリアさんは強いにしても、負けるんだろうなってなんとなくわかる。一方、ザーボンさんは、最初はめちゃくちゃ強そうで負けちゃダメなオーラを放ってるじゃないですか。でも、ベジータにやられそうになったときに、見た目がやられてもいい化け物のキャラになる。あれって、最初からあの(化け物の)形態で、強くなってあの(シュッとした人型の)形態になったら、絶対負けないキャラに見えるじゃないですか。逆だったのがすごいなと。
−−他に印象的なシーンはありますか。
山本:ミスター・サタンの最後のね、元気玉を集めるところ。すごいよなあ!あれ。だって、全世界の人が「ミスター・サタンだったら」って言ってくれるんですもんね。あそこ、一番感動したかもしれない。
−−最強の男じゃないというところが。
山本:そう。意外とぼく、ベジータの「抱かせてくれ」とかのシーンよりも、やっぱりサタンのところとか、「またな!」って悟空があっさり去っていくところとかのほうが印象的というか。占いババの最後のシーンで、悟空とクリリンが別れるコマのところ、あそこがなんかすごい好きで……! これからずーっと一緒にいるのに、こんな別れ方があったんだ!? いつ会えるのかな!?みたいな。ここがすごい印象的なんだよね。
−−最後の質問、神龍に願い事をするなら?
山本:本当にこれは「平和」ですよ。世界平和かな。いろんな耳を塞ぎたくなるような目を塞ぎたくなるような事件が、子供を持っているとね、特にあるから。そういうものを無くしていただきたい。自分の家族はもちろんだけど、家族の周りで起こった悲しいことも、みんな悲しくなるじゃないですか。悲しいこともひとつの学びだとは思うんだけど……。だから全部の悲しいことがなくなってしまうと人間として生命としてね、ドラゴンボールでもクリリンとの別れがあるから目覚める強さもあるわけじゃないですか。
でもまあ、ひとつ願いが叶うとしたら、普通に何事もなく、というか普通に生きていければいいかな。それはもしかしたら、願わなくても叶えられることかもしれないんだけど。でも、願わなくても叶えられることって、意外ともろいものだから。願って叶うものって、それは願ったら叶うもののような気がするんですよ。たとえば「ドラマの主役をやるぞ」って願い続けたら、もしかしたら叶うかもしれない。でも、ずっと平和で何事もなくっていうのは、一番難しい気がするんですよね。だから、あえて願いとして言いたいと思います。
−−今日は貴重なお話をありがとうございました。
山本:ありがとうございました。こちらこそ、楽しかったです!
山本耕史さん:1976年生。東京都出身。俳優・歌手として活躍。
直近では、2024年12月公開の映画『はたらく細胞』、2025年1月期連続ドラマ『アイシー 〜瞬間記憶捜査・柊班〜』に出演。
取材・文:えいとえふ
写真:小川修司
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