2023.03.23
令和になってから、突如ドラゴンボールにハマった田中れいなさん。ドラゴンボール好きの家族に誘われ映画を見たことをきっかけに、過去のアニメ作品を追いかけるようになったのだとか。昨年からはTwitterでアニメの感想をつぶやく「ドラゴンボール日記」も始め、話題を呼んでいます。
そんな田中さんの“推し”は孫悟飯。悟飯を幼少期から追いかけるうちに「母性が目覚めた」「モーニング娘。時代に自分を応援してくれていたファンと同じ気持ちになれた」など、自らの新しい一面にも気づけたといいます。
今回は、古参ファンではないからこそ味わえるドラゴンボールの魅力や楽しみ方、悟飯への熱過ぎる思いなどについて田中さんに伺いました。
※一部、映画『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』などのネタバレを含みます
――今朝(取材日の朝)に『ドラゴンボールGT』の最終回を見て、泣いたとツイートされていましたね。
田中:「GT」はもともと、ドラゴンボール好きの母からオススメされていたんです。「GTはラストがやばいけん、早く見て」って。そう言われたらこっちも構えるじゃないですか。どんだけ(やばいの)って。それで見てみたら、もう、めっちゃ声出して泣きました。
――そもそも田中さんは30歳を過ぎてからドラゴンボールにハマるまで、漫画やアニメ自体にそこまで夢中になることはなかったとか。
田中:そうですね。漫画は今でも読み方が分からないくらい触れてこなくて。ただ、ドラゴンボールは母と弟が大好きで、私も家にあった「ドラゴンボールZ 超サイヤ伝説」というゲームをやりこんでいましたね。ゲーム内で流れるメロディを今も歌えるくらい。
――じゃあ、ゲームを通じてなんとなくは知っていたけど、漫画やアニメに手を伸ばすまでには至らなかったと。そこから、最近になって一気にハマってしまったきっかけは何だったのでしょうか?
田中:2019年に映画『ドラゴンボール超 ブロリー』を見たのがきっかけです。母と弟が「行きたい行きたい」って騒いでたから(笑)、じゃあ一緒に行こうかなっていうくらい軽い気持ちだったんですけど、実際に見てみたら想像以上に良くて。ハマり過ぎて、そのあと2回見ました。見る前は「悟空」と「悟飯」と「悟天」の違いすら分からなかったんですけどね。「みんな一緒やん!」って。
――予備知識が少ない状態で見ても、十分に楽しめたと。
田中:楽しかったですね。映画の最初の方に悟空のちっちゃい頃の話とかもあったじゃないですか。惑星ベジータから一人だけ逃がしてもらって、両親と離れ離れになっちゃうっていう。悟空のことはあまり知らないけど、可哀想って感情移入したり。あと、ブロリーも可哀想な生い立ちだけど、ハッピーエンドになったのもいいなと思いました。
絵もすごく良かったです。こんなに綺麗なんだって。昔のアニメの映像のイメージしかなかったから、余計に感動しましたね。
――では、それから過去のアニメ作品を追いかけるようになった?
田中:いえ、その時は「映画楽しかったな」だけで終わって……。
アニメにまで手を伸ばすようになったきっかけは、2022年公開の『ドラゴンボール超 スーパーヒーロー』を見たことですね。「ブロリー」の経験から「ドラゴンボールの映画には絶対にハズレがない」と思っていたので、今度は自主的に見に行きました。やっぱり面白かったのと、2回目を見た後から今作の主役だった悟飯のことが気になり始めて。
でも、ドラゴンボールのアニメって「無印」「Z」「改」「GT」「超」って、いっぱいあるじゃないですか。それで母に「悟飯が活躍するアニメどれ?」って聞いたら「れーなでも分かりやすく見られるのは『改』かな」ってことで、「改」から見始めました。次に「超」、「GT」の順番で見て、今はもう一度「改」を見直すか「無印」にいくかで迷っています。
――ちなみに映画を見て、悟飯のどんなところに魅力を感じたんですか?
田中:じつは、1回目を見た時点での“推し”は悟飯じゃなくて、「ガンマ2号」だったんですよ。
――今作に初めて登場する新キャラですが、確かにカッコいいですよね。
田中:キャラクターと声がすごくいいなと思って。それで、ガンマ2号を目当てにもう一度見に行ったら、悟飯の丁寧な言葉遣いとか、細かい部分が気になるようになりました。もともと母からの情報で、「強いけどまともに働かん悟空に比べて、悟飯はお母さんがしっかり教育したから言葉遣いもいいし、ちゃんと職にもついているし、家庭を大事にしている」とは聞かされていましたが、映画ではその部分もちゃんと描かれていたんです。それで、悟飯いいかもって。
――「改」のアニメを見て、新たな悟飯の魅力に気づきましたか?
田中:とにかく幼少期の悟飯がかわいかったですね。かわい過ぎて内容が入ってこんくらい。特にやられたのは、ナメック星でベジータから渡された「戦闘ジャケット」に着替えるシーン。靴下を脱いでいる悟飯がとにかくかわいくて……その絵をLINEのアイコンにしています。
――おかっぱ頭で着替えている姿なんて、本当にただのかわいい子供ですもんね。
田中:そう! それなのに戦わされて……。ラディッツが地球に来た時なんて、怒ると強くなるとはいえ普段の戦闘力は1しかなくて。そこもかわいいんですけど、私としては「戦わせたくない!」って思っちゃいましたね。ダメージを受けるたび、敵に「やめてよ!」って思うし、私が代わりに戦いたくなる。生まれて初めて、強い母性が芽生えました。
そう、 私がドラゴンボールで得たのは「母性」なんですよ。絶対に悟飯ちゃんみたいな子どもを産んで育てるぞって、人生の大きな目標ができました。
――悟飯のような人格を形成するには、どんな教育が必要だと思いますか?
田中:まずは、やっぱり私と未来のダンナさんが、ちゃんと嘘なく仲良く暮らしているところを見せることかな。両親が幸せでないと、あんなに素直で心がきれいな子にはならないと思うので。その上で、ある程度は自由にさせてあげつつ、礼儀とか間違っていることとかについてはしっかり厳しく教える。……って、コレなんの取材でしたっけ(笑)。
――何回か子育て経験があるのかと思うくらい、しっかりした考え方ですね。
田中:理想の父親像は「悟空みたいな放任主義でもいいやん」って思います。ちゃんと敬語を教えるとか、ダメな時は叱るとか、そこは私がちゃんとやるので。悟空とチチも、そんな感じじゃないですか。
――ちなみに、パートナーや結婚相手としてはどうでしょうか? やっぱり悟飯みたいな人がいいですか?
田中:いま、頭にパッと4人浮かびました。悟空とベジータと、トランクスと悟飯。このなかだと、悟空とベジータはちょっと難しいかな。常に「戦うぞ!」みたいな感じだし、すぐ修業に行っちゃうし。
トランクスは、「改」のちっちゃいトランクスがかわいくて、一時期“推し変”するか迷ったくらいなんです。「GT」でも気づいたら社長になってて、お金持ちでカッコよくて、しかも強くて優しい。人として最強だなって。でも、「改」のトランクスは生意気小僧なところがかわいかったのに、「GT」のトランクスはその感じがなくなっていたので推すのはやめました。やんちゃだったトランクスでも、さすがに社長になると「ちゃんとしなきゃ」って思うんですかね。私としては、ちょっと残念。社長の肩書きは好きなんですけどね(笑)。
そう考えると、やっぱり悟飯くんですね。普段はノホホンとしていて、誰からも優しい人だって認識されているけど、怒ったら怖い。本当は戦いたくないけど、例えば子どもや私に何かあったら、怒りマックスで敵に立ち向かってくれる。そんな、悟飯くんみたいな人がいいです。
――今さらっと「“私に”何かあったら」とおっしゃいましたが、ご自身とドラゴンボールのキャラクターで妄想したりすることはありますか?
田中:前に、「れーなも悟飯くんと一緒にペロペロキャンディを食べながら天下一武道会、客席で見たい」ってツイートしたんですけど……我ながら気持ち悪い発言だったなと思います。私、普段はあまり妄想とかするタイプじゃないので、こんな投稿したらファンの方を引かせちゃうかなと躊躇したんですけど、思っちゃったもんはしょうがないですからね。
――確かに、「モーニング娘。」時代を含め、田中さんにそういうオタク気質のイメージはないかもしれません。
田中:こういう一面を表に出したのは初めてかもしれません。でも、私がモーニング娘。の現役メンバーだった時に応援してくれていた人たちも、ひょっとしたらこういう気持ちだったのかなと。何をしても「かわいい」って言ってくれて、ダメな時でも「いいよいいよ」って肯定してくれる。推しの全てを受け入れたくなっちゃう気持ちっていうんですかね。
――ドラゴンボールが、悟飯が「誰かを推す気持ち」に気づかせてくれたと。
田中:そうですね。自分でもびっくりしましたけど。悟飯を好きになって「推しができるって、こんなに楽しいんだな」って思いました。
――他に、ドラゴンボールで好きなシーンがあれば教えてください。
田中:じつは、「改」と「超」の感想を聞かれた時に答えようと思って、好きなシーンや感じたことをメモしてきたんです。ざっと読んでみてもいいですか。
▲取材当日に用意いただいた手持ちのメモにはぎっしりと「お気に入りのシーン」が書き込まれていた
・幼少期の悟飯ちゃんがかわい過ぎて集中できなかった。
・超サイヤ人のなり方。ベジータが味方(?)みたいになる流れとか、いろんなことを勉強した。
・ラディッツをやっつけるとき、悟空が抑えてピッコロの魔貫光殺法で打ち抜かれて死んだシーンは衝撃すぎて泣いた。
・ピッコロ、ベジータが仲間になってからの映画から見始めたので、敵の時が新鮮。
・ピッコロさんが悟飯ちゃんの修業をしてあげるシーン、1番好き。リンゴあげて「まずい〜」って言うところ、かわいすぎ。
・ピッコロさんがナッパから悟飯を初めて守ったシーン、泣いた。
・ナメック星に行くとき「七五三」って言われている悟飯、制服着て頭をおかっぱにされた悟飯、戦闘服に着替えるシーンで靴下を脱ぐ悟飯、萌えた。
・ていうか、悟飯ちゃんの小さい頃は全て好き。
・魔人ブウ編のゴテンクス好き。戦いの真剣なシーンで、ほっこりする要素がある。
・120話のベジータが初めてトランクスをギューってしてあげて、「元気でな」って言って(トランクスを)気絶させて死亡フラグ立つシーン好き。
・「超」でベジータがビルス様にペコペコしたり、たこやき焼くところ好き。ドラゴンボールファンのなかには嫌な人もいるって聞いたけど、私は好き。
・17号に惚れた。
・フリーザが悟空と手を組んで戦うシーン、ゾクゾクした。
――すごい! 熱い思いが伝わってきました。
田中:じつは普段から、印象に残ったシーンや感動したポイントは書き留めるようにしていて、「ドラゴンボール日記」としてツイートしているんです。なんでこれを始めたかっていうと、私ってすごく忘れっぽいんですよ。それに、熱しやすく冷めやすいところがあって。もしかしたら、いつかドラゴンボールへの熱が冷めてしまうかもしれない。もしそうなったとしても、この時の気持ちだけは忘れたくないから、アニメで見た回の感想やどんな気持ちになったかを書き残しておこうと思いました。あとで見返したとき「そんなシーンもあったな。私こんなこと思ってたんだ」みたいに、懐かしく感じられるじゃないですか。
最初は「フォローしてくれているファンの方が嫌がるかな?」とも思ったんです。ドラゴンボール日記より、仕事のことや自撮り写真をもっと上げろよって言われちゃうかなって。
――でも、田中さんのファンのなかにもドラゴンボール好きはいるでしょうし、趣味を共有できるのは単純にうれしいのでは? それに、逆にドラゴンボール好きの方が田中さんのことを知るきっかけになるかもしれませんし。
田中:実際、日記を始めてからドラゴンボール好きの方がツイッターをフォローしてくれることが増えました。共通の趣味があると、こんなふうに人とのつながりが広がっていくんだなって実感しましたね。
――田中さんの場合は最新作の映画から入り、「改」「超」「GT」の順番でアニメを見るという、やや特殊なハマり方だと思いますが、どこから入っても関係なく楽しめるのはドラゴンボールの魅力の一つかもしれませんね。
田中:そうですね。私の場合はまずキャラクターの魅力に心を打たれて、悟飯という推しができた。そこから悟飯を追いかけるために(悟飯が登場しない)「無印」を飛ばして「改」から見始めたんですけど、それでもここまでハマれましたから。
ただ、もちろん順番通りに見ていくのも絶対に楽しいし、その方がより楽しめる部分もありますよね。私はあまり予備知識がない状態でいきなり最新作の映画から入りましたが、最初に「スーパーヒーロー」を見た時は悟飯の性格もピッコロさんとの師弟関係も知らなかったから、ところどころ感情移入しきれないシーンもあったんですよ。例えば、ピッコロさんが敵に倒された時に悟飯が「ビースト」に覚醒するじゃないですか。あれも正直、当時は「そんな、ピッコロさんがやられるまで我慢せんでもええやん。もうちょっと早い段階で覚醒してくれたら、みんな無傷で済むのに」みたいなことを思ってしまったんです。
――確かに、本心では戦いを好まない悟飯の穏やかさや、ピッコロさんとの絆を知らないまま見ると、心から共感するのが難しいシーンかもしれません。
田中:そう。だから私は改めて「改」を見て、後々いろんなことが結びついてきたんですよね。最初は悪の存在だったピッコロさんがちっちゃな悟飯と接するうちに変わっていって、最後はナッパから捨て身で悟飯を守る。そういう経緯とか関係性を知り、「ああ、だから映画でもピッコロさんはあんなに悟飯のことをかばっていたんだ」って思ったり。
あとは、「悟飯は幼少期から本当に心の優しい穏やかな子で、だからこそ、怒りが極限にまで達しないと覚醒しないんだな」って納得したり。
――いきなり最新作を見て、後から答え合わせをしていくような楽しみ方もあると思いますが、やはり順番に見た方がより感情移入できますよね。
田中:だから、ピッコロさんと悟飯の歴史を知った状態で、もう一度「スーパーヒーロー」の映画を見たいんですよ。今なら、もっと泣けるだろうから。
――ちなみに、「こんな作品を見てみたい」みたいな希望はありますか?
田中:それ、私だけが得するやつでいいですか?
――100%田中さんの願望のみでOKです。
田中:悟飯の人生をひたすらたどる映画ですね。これまでの作品でも幼少期から少年期、青年期までの過程が断片的には描かれているんですけど、もっと事細かに知りたいんです。特に、戦いだけじゃなくて、もっと日常の部分にフォーカスしてほしい。例えば、普段どういうものを食べているのかとか、ビーデルさんとデートに行く前に、どんな顔で準備をしてるんだろうとか。デートコースを検索して調べているところとか。
それから「モーニングルーティン」とかも見てみたい。母に話したら「そんなの誰も見らんやろ!」と、ぶった切られましたけどね。
――悟飯のモーニングルーティンはちょっと見てみたいですけどね。
田中:映画は約2時間なので、さすがにモーニングルーティンだけじゃ厳しいですけど(笑)。でも、そういう悟飯の人間味溢れる一面を見てみたいですね。
――最後に、この先ドラゴンボール関連でやってみたいこと、叶えたい夢などがあれば教えてください。
田中:めっちゃおこがましいんですけど、映画の主題歌を歌いたいです。私、「超」の主題歌の「限界突破×サバイバー」を自分のライブでも歌うくらい大好きなんですけど、もし自分の歌があんなふうに作中で流れたら最高だろうなって。本当におこがましいんですけど、歌手という仕事をしているからこそ言えることでもあるので。
もしそれが実現できたらこの仕事をやめたっていい(笑)。そう思えるくらい、大きな夢ですね。
田中れいなさん:1989年、福岡県生まれ。2003年1月、6期メンバーとしてモーニング娘。に加入。同年発売のシングル「シャボン玉」でCDデビュー。2013年にモーニング娘。を卒業。その後、ガールズバンド 「LoVendoЯ」(ラベンダー)としての音楽活動を経て、2018年からはソロとして活動する。
取材・文:榎並紀行(やじろべえ)
写真:関口佳代
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